作業療法士×就労支援 

就労移行支援事業所で働いているOTの忘備録です。

障がい者求職登録に行ってきた

就労移行支援事業所の利用者さんの求職登録のため

ハローワークに同行しました。

 

求職登録とは?

ハローワークで求職活動の様々なサポートを受けるために必要な登録。

 

今回は障害者としての求職登録のため

障がい者専用の相談窓口にて行いました。

手続きは基本的に担当の職員の方が案内してくれます。

登録用紙に氏名や住所等個人情報やこれまでの職歴を記載します。

その登録用紙を元に、職歴について詳しく質問をされました。

今回は登録にあたり、障がい者手帳が必要でしたが

医師の診断書は不要でした。

 

 

障がい者雇用率制度について

障がい者雇用率制度とは?

常時雇用している労働者数の、一定の割合の障がい者

雇用することを義務付けている制度。平たくいうと「社員数に応じた障がい者の方を

雇いなさいよ!」ということ。

障害者雇用促進法に基づいている。

ちなみに常時雇用の労働者が45.5人以上の民間企業では、雇用率は2.2%。

 

何のためにあるの?

障がい者の雇用を確保するため。

障がいがある方が働くということを「社会全体で支えていきましょう」という

趣旨かな。

 

守らない場合どうなるの?

罰金がある(足りない人数1人あたり月5万円!)結構な金額である。

このお金は雇用確保の助成金に使われます。

 

現状どのくらい守られているの?

平成29年の厚生労働省の結果では、達成している企業は50%。

つまり半分。

この数字をどう考えるか、私は意外なほど低いと思いました。

しかし雇用者数、雇用率とも増加傾向で、雇用されている障がい者数は

前年より2万1421人増えている!

 

以上。

 

障がい者雇用とは

すっごい久しぶりの更新。

長らくサボっていた。また今日から頑張ろう!

 

今日のテーマは、障がい者雇用とは?

 

障がい者雇用とは?

一般の求人とは別の、障がい者のための特別求人枠の中での雇用。

 

障がい者雇用は誰が対象?

身体、知的、精神を含むすべての障がい種別が対象。特に精神障がいは2018年から

対象となった。遅すぎてちょっと意外な感がある。

法定雇用率に算定するには、身体障害者手帳、精神保健福祉手帳、療育手帳が必要である。助成金の利用では手帳が必要ないこともある。

 

障がい者雇用で働くためにはどうすればいいの?

障害者手帳を申請する

ハローワーク障がい者求人登録をする

障がい者雇用枠での求人を探す

・面接を受ける

 

 障がい者雇用で就労するメリットは?

メリット

・配慮が得られやすい

・求人の競争率が低い

障がい者に対する支援制度を活用出来る

デメリット

・職種や仕事内容が限定される

・一般職と待遇に差をつけられることがある

障がい者求人枠がそもそも設けられていない企業もある

 

障がい者雇用でも普通の雇用のように昇進や昇給ができますか?

ここのところがはっきり分からない。

具体的な取り決めがなく、会社によるのかな?という感じがします。

ここについては、今後調べる。

 

以上!

自分が「自分」でいられるコフート心理学入門

タイトルの通り、超初心者がコフート心理学を知るための

第一歩となる本です。

 

著者の和田秀樹氏のプロフィール

1960年大阪府生まれ。東京大学医学部卒。東京大学医学部付属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学学校国際フェローを経て、現在は精神 科医。国際医療福祉大学教授。ヒデキ・ワダ・インスティテュート代表。一橋大学国際公共政策大学院特任教授。川崎幸病院精神科顧問

 出典:Amazon.co.jp: 和田 秀樹:作品一覧、著者略歴

 

和田氏は日本における自己心理学コフートの提唱した心理学)の

第一人者であり、入門書としては安心感がありますよね。

 

ではコフート心理学の魅力とは何でしょうか?

 

私はズバリ「人間を弱い存在だと認めていること」だと思います。

 

精神分析の大家フロイトの心理学は

自我を鍛えることで無意識の中にある課題を克服できるよう考えて

いました。

フロイト自身、超絶 強い精神力を持つ人物だったそうです。

 

一方フロイトのお弟子さんでもあるコフート

人間はそんなに強い存在ではない、と捉え

治療者に適度に依存しながら、自己愛を満たし前進できるような

精神分析手法を確立しました。

 

同じ精神分析でもずいぶん違いがありますね!

 

自分が変われば相手が変わり、相手が変われば自分も変わるー

そうやって、治療者と患者が相互に依存する関係性の中で患者の

心が発達していくのが、コフートのたどり着いた治療モデルなのです。

(本文より)

 

この「治療者と患者が相互に依存」というのがフロイト精神分析とは

大きく異なる視点です。

というのもフロイト精神分析は「治療者が患者の課題を見出して

教えることができる」と考えているからです。

このような考えのもとでは、治療者と患者とは明確な一線を引くべき

であり、相互に依存などどいう関係はありえないのです。

 

コフートの心理学は「共感の心理学」と言われていて

治療者は患者の考えを理解・共感する親や友人のようなポジション

なるそうです。

悩んでいる時って、別に答えをもらわなくても

「わかる、わかる」と言って欲しいだけの時ってありますよね!

そんな共感が患者の自己愛を満たし、患者自身が前進する助けになると

考えられています。

 

またコフートの大発見は、人間には「他人とは違った存在でいたい」

という願望がある一方で「他人と同じ存在でいたい」という願望もある

ことを見出したことです。

例えば先輩や上司が「自分も昔こんな失敗をやってね・・・」と話して

くれることで「失敗するのは自分だけでは無い」という希望を持つことが

できるのです。

常に、人間には長所と短所の両方があります。みんな、それぞれの

「ダメなところ」を抱えながら生きている。だから、本音の部分

では愚痴もこぼすし、弱音も吐きたいわけです。(本文より)

 

こんな考えのもとで話を聞いてくれる人がいたら

それだけで心が癒されそうですよね! 

 

マスコミの報道を見ていると

日本はどんどん不寛容な社会になってきていると感じます。

不倫をした芸能人や不祥事のあった会社の社長が謝罪しているのを

見ていると、スカッとする人もいるかもしれませんが

「明日は我が身」と不気味なものを感じます。

建前ばかりの社会は息苦しい、そんな空気を敏感に感じて

心の病を発症する人たちは年々増えているのかもしれません。

 

もっと優しい社会を作るために、ぜひ取り入れたい考え方です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

株式会社「ウチらめっちゃ細いんで」

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先日、株式会社「ウチらめっちゃ細いんで」代表取締役佐藤啓さんが

事業所に来所されました。

mechakoma.com

 

 

めちゃコマは、ひきこもり支援を行っている会社です。

スタッフの多くがひきこもり当事者。

 

さらに支援の方法がユニーク。

 

ひきこもったままで、仕事ができることを目指して

ひきこもりの人たちの繊細な感性や集中力・ライフスタイルが

HP作成などIT技術とマッチすると捉え、

ひきこもりの人にweb系技術の講座を提供したり、HP作成の仕事を提供したり

されているのです。

 

まさに逆転の発想。。

 

特性を活かした仕事を作ってしまおう!ということですね。

 

めちゃコマ佐藤さんのアイディア、とても面白くて

HPをみると

 

ひきペディア(ひきこもり総合情報ポータルサイト)や

オンライン当事者会など

 

気になる要素が満載です。

 

こういう場所がたくさんあれば

もっともっと誰もが働きやすい社会になっていきますね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

就労支援に必要なアセスメントとは?

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効果的な支援を行うためには、アセスメントが必須ですね。

「評価が大事」というのは、OT学生時代の実習の時から

耳にタコができるくらい(古い?)聞かされてきた気がします。

 

では、就労支援に必要なアセスメントとは何でしょうか?

 

 

就労支援では「職業準備性」の評価が大切だと言われています。

 

 

職業準備性とは簡単に言うと

「その人が仕事を始められる状態にあるかどうか」ということです。

 

 

一般的に職業準備性には

 

「健康管理」

「日常生活管理」

「対人技能」

「基本的労働習慣」

「職業適性」

 

が含まれると言われています。

 

これらの項目はピラミッドの関係になっていて

いくら職業特性があっても

健康や日常生活の管理が不十分では

仕事を継続することは難しいと考えられているのです。

 

 

例えば

昼夜逆転の人が、いきなり昼間の8時間勤務の仕事につくのは

難しいでしょう。

これは生活リズムの点で、職業準備性が整っていない状態と言えます。

 

また薬の管理が出来ておらず、体調が安定しない人も

仕事を始められる状態にあるとは言えないでしょう。

 

このように就労支援のアセスメントと言っても

職業能力だけをアセスメントするのではなく、

より広い生活全般のアセスメントが必要になってきます。

 

 

個人的には

仕事の仕方を工夫したり

会社組織のあり方によっては

職業準備性が不十分でも仕事ができる場合は

あると思っていますが

このあたりはまた次の機会に・・・

 

 

 

「就労移行支援事業所って何?作業所と違うの?」って、よく言われます。

就労移行支援事業所で働く作業療法士

珍しいようです。

 

初対面の方に、就労移行支援事業所で働いていると言うと

「就労移行支援事業所って何?作業所と違うの?」って、よく言われます。

私も実際に働くまでは、そう思っていました。

 

そこで!今日のテーマは

就労移行支援事業所について

サクッと説明していきます。

 

 

「就労移行支援事業所とは?」ポイント2つ

  1. 一般企業で働きたい人が、訓練する施設である。
  2. 基本的な機能は、アセスメント・利用者と企業のマッチング          就職後のフォローアップ

 

なんとなく、イメージが伝わるでしょうか?

 

もう少し、具体的に説明していきます。

 

 

ポイント1.「一般企業で働きたい人が、訓練する施設である 」

就労移行支援事業所を利用する人は、求職中である障がいのある人です。

 

基本的には福祉的就労(A型作業所やB型作業所)ではなく

一般の企業で働きたい人が対象となっています。

 

というのも、就労移行支援事業所は

「福祉から一般就労への移行」というはっきりとした役割

持っているからなのです。この役割は法律でも定義されています。

 

ポイント2.「就労移行支援事業所の機能 」

就労移行支援事業所に求められる機能は、基本的に以下の3つです。

 

・利用者のアセスメント

・利用者と企業のマッチング

・就職後のフォローアップ

 

アセスメントとは

その方が実際に働くことができるのか?課題や強みは何か?」を

明確にしていくことです。

 

ここは作業療法士が強みを発揮できる部分と言えそうですね!

 

 

利用者と企業のマッチングとは

その方のアセスメントに基づいて

適性のある業種や企業を提案していくことです。

 

就労移行支援事業所には、就労支援員という役割のスタッフがいます。

利用者と企業のマッチングは

就労支援員が中心となって行います。

もちろん作業療法士が、就労支援員になることもできます。

 

 

就職後のフォローアップも大事な機能です。

私が働いている事業所は

主に精神障がい・発達障がいの方が対象となっていますが

就職してからも不安定な方はとても多いです。

環境が大きく変わるのだから、当然といえば当然ですね。

 

就職したからひと安心ではなく、

利用者の方が本当に仕事ができるようになるには

仕事を初めてからもこまめに悩みを聞いたり、職場環境の調整を企業側と一緒に行ったりといったアフターフォローが欠かせないのです。

 

簡単にご説明してきましたが、いかがでしょうか?

就労移行支援事業所という聞きなれない言葉に

少しでも興味を持ってもらえたら嬉しく思います。